渋パブ・リレー・エッセイ (RELAY ESSAY)

道に迷ったときは

2009.2.19

弁護士 久木聡子

私はかなりひどい方向音痴で,初めての場所に行くときはほぼ間違いなく,二度目三度目でもかなりの確率で道に迷います。

渋谷パブリック入所前に在籍していた(この話はまたいずれ)志澤所長の事務所に初めて行ったときも,駅から徒歩3分の事務所に30分歩き続けても着けず,結局駅まで迎えにきてもらう破目に陥りました。他にも,自宅の引越し直後には徒歩10分弱の最寄駅まで40分以上かかって待合せに遅刻したり,最近は駅のホーム上で迷子になりそうになったり…駅から渋谷パブリックまでも,かなり長い間一人ではたどり着けませんでした。

道に迷ったときは,現在位置も方角も分からなくなっていることが多く,一人で頑張ったところで,よほど運が良くない限り,更にひどく迷って街中迷路状態に陥ります。地図を見てしばらく頑張っても駄目なら,親切な人に道を尋ねるしか迷路から抜け出す方法はありません。普通の人には分かりやすい道だったり,相手が方向感覚の良い人だったりすると,迷っていることを理解してもらえずに変な目で見られますし,実は目の前が目的地だったりするなど恥ずかしい思いもしますが,自力ではたどり着けないのですから仕方がないと諦めることにしています。

道に限らず仕事の上でも,新人には迷子の危険がいっぱいです。なにしろ初めての経験ばかりですから,自分が今何をやっていて,次にどう進んで,どこに到着するのか予想できないことも多いですし,困ったことに,何を調べたら正解に近付けるのか分からないことも多いのです。また,経験を積めば当たり前の危険でも,それが危険だと知らなければ避けることはできません。

幸い私の周りは優しい人ばかりなので,事件のことは所長や兄弁・姉弁に,事務手続のことは事務局に,忙しい相手に心の中で謝りつつ,五月蠅く訊いて教わって,たどたどしいながらも何とか頑張って毎日歩いています。

法科大学院生の皆さんも,今学んでいること,将来やりたいこと等,迷うことがたくさんあると思います。自分で頑張らなければならないことを人に頼ることはできませんし,訊くタイミングを見計らうことも重要ですが,困ったときには自分の目的地までの道を知っていそうな人に訊いてみてもいいのではないでしょうか。