渋パブ・リレー・エッセイ (RELAY ESSAY)

やまのぼり

2012.1.16

弁護士 田中 結花

私の趣味は,登山です。とはいっても,最近は,日帰りできるような場所ばかりですから,山歩き,と言った方がよいかもしれません。

 登山では,その山の難度に合わせた準備を整える必要があります。山の状況に合わせた装備を調え,登山用地図を利用して自分の技術に適したルートを選んだ上でスケジュールを組んだりしますし,場合によっては,事前の体力作りが必要な場合もあります。

 実際に登り始めるときには,現地の情報や天気予報を踏まえて,スケジュールの調整を行った上で登山口へ赴きます。

 このように入念に準備をしても,いざ登り始めると,いつもはあまり使っていない筋肉が活用されているのを感じつつ,息が切らして登っていくことになります。そのため,道中は,予想はしていたこととはいえなかなか辛く,周りが木で囲まれていて景色が見えなかったりすると,若干ペースが落ちてくることもあります。

 でも,頂上が見えてくると元気を取り戻して,頂上目指してひたすら進み続けます。その結果,頂上に到達したときの達成感と開放感は日常生活ではなかなか味わえません。道中の苦労が頂上で報われるとわかっているから,つい,また,登りに行ってしまうのだと思います。

 そんな道中の大変さを緩和するためには,今,自分がどのくらい進んだのか,あとどのくらいなのかといった状況の認識や,勾配の緩急や難所の有無といったルートに対する知識,自分の体力をどのように分配するかといったコントロールが大事になってきます。

 このことは,登山以外でもある程度は同じようにあてはまるように感じています。例えば,大きな目標を実現するためには,その大きな目標に至るまでの中間目標を設定し,その中間目標の達成状況を把握することが有用ですし,目標を実現するために,現状の自分に足りないところはどこかを分析した上で,それに応じた補充を行い,一歩一歩目標に向かってっていくことが効果的だと思います。

 私が弁護士になって,初めての年が終わり,2年目が始まろうとしています。昨年は,東日本を襲った大震災と,原発事故,またその他の自然災害も含め,弁護士として被災地,被災者のために何ができるのかといったことを考えさせられる1年であり,今年は,それを踏まえた目標設定と,自己研鑽を積んでいく必要があると思っています。

 さて,みなさんの今年の目標はどのようなものですか?