リーガルクリニックニュース (LEGAL CLINIC NEWS)

2008年度リーガルクリニック(初級)開講
2008.12.2
弁護士 久木聡子

 本年度初級リーガルクリニック(以下,「初級LC」といいます。)は毎週木曜日に行われ,本年度は半年をかけて法律相談1回,民事模擬裁判7回,刑事模擬裁判7回を行う予定です。平成20年10月2日に開講した初級LCも,11月20に前半の最終回,民事模擬裁判の判決言渡を終えました(11月27日からは刑事模擬裁判が行われます)。


民事模擬裁判では,2時間の講義時間の初めに原告・被告代理人役及び裁判官役担当者らによる模擬裁判手続きを行い,その後,講評及び,行われたばかりの手続きに関連した講義が行われました。実際に手続きを体験しつつその根拠となる条文や法律論を学ぶことで,手続法の知識が活きたものになるだけでなく,実体法の理解も深まります。

 講義レベルは,実務家としての第一歩を踏み出すために必要な基礎知識及び法的考え方を伝える程度に設定されています。実際に,所長は9月に登録したばかりの新人弁護士である私を対象に講義内容を考えていますし,レベルの確認のため,私を相手にプレ講義をすることもあります。講義は主に対話形式で行われるため,テーマと重要ポイントは同じでも,受講者の応答によって展開が異なるのが面白いところです。

 この模擬裁判手続きのために,代理人役担当者は,依頼人役の弁護士と打ち合わせをした上で,訴状又は答弁書,準備書面など様々な書面を作成し,裁判官役担当者は争点を整理し,期日には訴訟指揮を行い,判決書を作成しました。役を担当していない学生も毎回手続を傍聴し,関連したレポートを提出しました。

 課題はそれぞれ大変ですが,当事者の話を聞き取り,記録を読み込み,問題点を発見し,文献や判例を調べ,文章を作成するという法律家にとって必要な能力の訓練であり,この訓練は実務に就いてもずっと続きます。私たちは毎回提出されたそれぞれの課題に目を通していますが,回を追うごとに内容が充実し,わかり易くなってレベルアップが感じられるとともに,より積極的に取り組もうという姿勢が伝わってくるのが嬉しいです。私は9月末に当事務所に入所するまで,法科大学院とは全く接点がなく,その実態は謎に包まれていたのですが,一番強い印象を受けたのは,授業に取り組む真剣さでした。ほかの科目の予習,復習や課題もあって大忙しだと聞きますが,議論好きで負けず嫌いで,何とか依頼人の利益を守ろうと,夜遅くあるいは休みの日にも頑張っている学生の姿を近くに見ると,同じ道を歩いている仲間だということを強く感じます。