リーガルクリニックニュース (LEGAL CLINIC NEWS)

リーガルクリニック初級感想
2009.11.26
弁護士 齋藤 実

リーガルクリニック初級(以下、「LC」とします。)が、國學院大學法科大学院2年生を対象に、10月1日より開講しました。この日は、丁度私にとりましても、初出所日。ワクワクしながら、LCの授業に向いました。

授業は、午前・午後2つのクラスに分かれ、各約20人程度の少人数で行われます。LCでは、模擬裁判を通して法律実務を学ぶことに主眼が置かれており、後期前半は民事模擬裁判、後半は刑事模擬裁判が行われます。模擬裁判の後には、渋谷パブリックの弁護士からその日の模擬裁判の講評、関連法律知識の確認が行われ、2時間の授業に実に盛りだくさんのメニューが組まれています。学生は、民事模擬裁判の原告・被告の代理人、裁判官、刑事模擬裁判の検察官、弁護人、裁判官のいずれかの役割を必ず担当し、渋谷パブリックの弁護士は、当事者や指導担当となり学生をフォローしています。

初回の授業では、依頼者(原告)からの聞取りを、学生2人が1組となり行いました。何を聞いて良いか分からず戸惑う組、前の組の聞取りをヒントに聞取りを進める組、他の組とは異なった角度から聞取りをする組などなど様々でした。どの組も初めての聞取りに四苦八苦していましたが、依頼者から必要な情報を聞き取ることに積極的に取組んでおり、今回の経験から多くのことを得たようです。授業後のアンケートでも、法律を学んで来て今までにない良い経験ができた旨の内容が多く、生きた法律を学ぶ第一歩を踏み出したようです。

第2回目の授業は、初回の聞取りをもとに全ての学生から訴状が予め提出され、その訴状を踏まえた授業が行われました(訴状などの提出された課題は、渋谷パブリックの弁護士から真っ赤に添削されて返却されます)。授業では訴状作成の注意点のみならず、さらに、訴状記載事項の条文上の根拠について説明がありました。これらの条文を今まで引いたことのない学生はいなかったと思います。ただ、普段何気なく引いている民訴法等が、現実の民事裁判でどのように用いられているか身をもって体験でき、一層の理解が進んだのではないでしょうか。

第3回目は、いよいよ第一回口頭弁論期日が國學院大學模擬法廷で開かれました。模擬法廷とは言え、厳粛な雰囲気の中、訴訟が進行しました。訴訟の中で、今までの勉強の成果を発揮できた学生、初めての雰囲気にのまれてしまったのか力を発揮できなかった学生、様々でした。ただ、たとえ上手く出来なかった学生であってもベストを尽くそうとしていることが伝わり、その一生懸命な姿勢故に、私たち弁護士も訴訟に引き込まれていきました。もちろん、それぞれのチームは授業のみならず、授業のための準備も入念に行っています。私は、被告側証人の役をやっておりますが、聞取りで予想もしない深い質問をされ、答えに詰まることもしばしばです。今後の訴訟の展開そして一体いずれのチームの勝ちとなるのか今後の成り行きが楽しみです。

LCの授業では、真剣に法律学を学ぼうとする学生の熱い思いが、ひしひしと伝わってきます。その姿を見ていると、自分の法科大学院の時代を自然に思い出し、当時の自分と重ね合わせてしまいます。その度に、法科大学院生の時に持っていた理想と少しでも近づけるように、自分を戒めています。

学生の皆さんも、今は厳しい生活ですが、あせらずに何よりも基本を大切にして一日一日を大事に生活して下さい。LCで見せる熱い思いが形になり、近い将来一緒に法曹の道を歩めることを心から期待しています。